デジタルカメラ・ジェーピー

2012年01月12日

富士フイルム

レンズ交換式プレミアムカメラ「X-Pro1」説明会を開催
「X-Pro1」の展開や新技術を紹介。2013年までのレンズロードマップも公開


●富士フイルム
レンズ交換式プレミアムカメラ「X-Pro1」説明会を開催
「X-Pro1」の展開や新技術を紹介。2013年までのレンズロードマップも公開

-富士フイルムは、今回のCESで発表された「X-Pro1」の説明会を実施。
-まだ未発表の国を含め、各国のプレス関係者向けに、同機のコンセプトや新技術はもちろん、今後のレンズロードマップまで、詳細な情報を提供。
-もちろん、日本国内では、まだ未発表だが、今回、日本人プレス向けに日本語でのセッションを用意。
-ここでは、そのセッションでのプレゼンテーション内容を、なるべく詳しく紹介しよう。なお、ここで記載したものは、通常の発表会レポートと同じように、会場でリアルタイムにPCに打ち込んだ説明の概要だ。

●電子映像事業部 松本氏
・レンズ交換式プレミアムカメラ「X-pro1」。
・このカメラに、富士フイルムならではの技術とこだわりを凝縮。
・今回のCESでは、(富士フイルム)ブースを大きくしたが、やはり家電ショーであり、隣がSAMSUNGブース。
・2年前に比べると、ブースも大きくなり、以前は商談メインだったが、今回は展示スペースを広げた。
・今年のフォトキナではもっと大々的に展開したい。
・今回(「X-Pro1」を発表したが)、突然、レンズ交換式を出しても、振り向いてくれない。そのため、3年前から計画。
・昔の「FinePix S5Pro」などと違って、今回はプロだけでなく、ハイエンドアマチュアも対象にした。
・やはり「ブランド力」と「技術力」が必要。3年前に(X-Pro1を)出すことを目標とし、その間に「X100」を出し、「X10」を出してきた。
・その後、26倍ズームの「X-S1」を出した。(一般ユーザーは)レンズ交換式を買えばいい写真が撮れるんじゃないかというイメージがあるが、使い勝手を考えると、一般の写真を撮るときに、そんなにいいものかと考えて、あえてロングズームタイプを出した。
・それ以前にすでに30倍ズームを出していたが、センサーサイズでは一眼にかなわない。エントリー一眼レフくらいの画質を実現するものとして、「X-S1」を企画した。

・カメラはレンズを交換するといったファンクションや姿形を楽しむ人もいるので、レンズ交換式を出した方がいいと思った。
・スマートフォンの品質が大幅に向上。低価格のカメラで撮ったものと変わらない実力になった。
・そして、安いカメラは売れなくなった。低価格のカメラは、アメリカでは4割も減った。とくに韓国メーカーは大打撃を被った。
・スマートフォンの普及に伴って、携帯では撮れないようなカメラしか、もう生き残れない。
(Xシリーズは)とてもスマートフォンでは撮れないようなカメラを作った。そういうカメラを作れるカメラメーカーしか生き残れない。
・非常に高い技術を投入した本格的なモデルに仕上げた。
・「X100」は年間10万台の目標を、9ヶ月で達成。「X10」は年間30万台の目標だが、すでに13万台の注文をうけた。
・今回の「X-Pro1」は、いままでと違い、ミラーレスとは呼ばないで、あえて「プレミアムレンズ交換式カメラ」と呼ぶ。
・いわゆるミラーレスは品質や画質面では(本格的な一眼レフに)かなわないが、「X-Pro1」は高級一眼レフと同じ画質が得られる。
・価格は15万円前後。レンズ付きでは20万円を超えるくらいになる。


●電子映像事業部 商品企画 河原氏
・「X-Pro1」の話に入る前に、今回、世界で1万台限定で発売する「X100ブラック」を発表。お客様からの、あまりに強い要望があったために企画した。
・黒の品格を感じて欲しくて、裏地が赤のケースを用意。フードやプロテクトフィルターも黒で用意した。
・箱が2段になっており、下段には事業部長の樋口からのレターが入っている。シリアルナンバーも10000分のいくつという番号を入れてある。ボディーは国別管理の関係もあり、箱に10000台のなかでのシリアルナンバーを表示している。
・黒を作るのは、かなり難しかった。残念ながら、このカメラにはサンプルがなく、店頭でも見ることができない。Webか、カタログでしか、見ることができない。
・ダイアルやカバーなど違った素材を、同じ黒で表現するのは難しかった。それを美しい光沢感のあるブラックにするのが、かなり難しかった。単に黒く塗っただけではなく、ひとつひとつ大切に作り上げた黒だということを知って欲しい。
・性能的には従来モデルと同じで、色や塗装をかなり凝ったものに。カメラ単体でのバラ売りは考えていない。

・X-Pro1が目指したのは「最高の画質」。Xのブランド作りの、第一弾の集大成にしたい。
・タイプとしては、ミラーレスだが、従来機とは大きく違ったものに。「レンズ交換式プレミアムカメラ」と呼んで欲しい。このスタイルを広めてゆきたい。

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・新開発の「X-Trans CMOS」を搭載。モアレはいまのデジタルカメラでは宿命的に発生する。光学ローパスフィルターでそれを防いでいる。これを解決したい。
・銀塩フィルムはモアレが発生しない。フィルムの粒子は規則性がないので、その考え方を応用した。
・光学ローパスを使わずに、モアレを発生させない。
・従来のベイヤー配列(のカラーフィルター)は2×2配列。今回は6×6の36ピクセル単位で配列。同じ列に必ず、RかBが含まれるので、色再現性を保ちながら、モアレが発生しない。
・同じサイズのセンサーであれば、圧倒的にノイズが少なく、解像度が高い。
・社内で、APS-Cやフルサイズ機と比較したが、解像感、ノイズともに、「X-Pro1」はフルサイズも陵駕する実力に。

・レンズはまず、3本。35mmF1,4、18mmF2.0、60mmF2.4を用意。
・各レンズの一番後ろのレンズを大きく設計。バックフォーカス(後玉からセンサーまでの距離)が短く、レンズからの光をセンサーいっぱいに入るように設計。後玉が大きく、バックフォーカスが短いのが特徴。
・いずれのレンズも非常に贅沢なもの。絞り羽根は、18mmと35mmは7枚、60mmは9枚。円形絞りを採用。内面反射を少なくするため、絞り羽根はプレスではなく、モールドにした。
・今回のレンズは絞りリングを装備。1/3刻みのものに。1絞りと1/3絞りの感触を変えている。クリック間の違いでステップの違いがわかる。

・レンズロードマップとしては、現時点では、マニュアルフォーカス重視の超広角14mm、標準ズームのF4で手ぶれ補正をいれたものを2012年に予定。
・2013年には、28mmのパンケーキや「X100」と同じ23mmF2、望遠ズームや超広角ズームなども用意。

・オリジナルのXマウントを採用。短いバックフォーカスと通信システムの役割。レンズの解像度を引き出すために、マウントの厚みを2.5mmにし、7.5mmレンズを潜り込ませる。
・バックフォーカスは17.7mmだが、その数値の意味合いが違う。18mmはセンサーから後ろ玉までの距離が短い。
・マウントアダプターも検討。Mマウントのアダプターを考えている。発売後しばらくして発売予定。
・MマウントレンズがMFで楽しめる。もちろん、純正レンズがもっともマッチする。

・ハイブリッドマルチビューファインダーも、レンズ交換式にあわせて、第二世代に。レンズにあわせて、ファインダーも倍率を変えたかった。
・右側にスライド式レンズがあり、1枚レンズが加わり、倍率を変化させる。
・X100では横に液晶があったが、ボディーの薄型化のため、下に液晶パネルを配置。変倍するファインダーを採用したため、カメラがやや厚くなった。
・M9など従来のレンジファインダーは2種のフレームがでるがX-Pro1はそのようなことはない。35mm時には倍率が変わって、同じ視野で撮れるようにした。
・60mm時には、もう一度倍率を変えたかったが、大きさやレンジファインダーの魅力を伝えるために、変倍させなかった。必要に応じて、EVFも使える。
・ズームレンズを使った場合は、ブライトフレームをシームレスに対応できるようにしたい。広角か標準のどちらかの倍率で、フレームを変倍させる方向に。

・LCDは123万画素で、反射率の低いパネルを採用している。どの波長の光も低い反射率で見える。
・フィルムシミュレーションは、これまでカラーポジフィルムベースだったが、今回はカラーネガも採用。営業写真館などで使われている、ポートレート用フィルム用プロNS。もうひとつ、ポートレート用で屋外で使われるケースが多いプロNCをターゲットに画像を作った。
・多重露出機構も用意。今回の特徴は、2枚目を撮影するときに、オーバーラップして表示され、一枚目が浮かんでくる。とくに光学ファインダーで浮かんでくるのは「X-Pro1」だけの魅力。表現領域を広げるアート性の高いものに。

・「X100」から操作性を改善。「X100」で小型化のために犠牲にした、モードダイアルのロックボタンを装備。露出補正ダイアルもボディーに埋め込んで意図せずに動かないようにした。コマンドダイアルもロータリー状ではなくコマンドダイアルに。
・GUIも改善。メニューは従来、メニューをスクロールする必要があったが、今回はタブでページ分けした。
・Qボタンを装備。頻繁に変えるメニューを簡単に変える。上下キーでモード選択し、コマンドダイアルで設定。7つのカスタマイズ登録が可能に。
・アクセサリーは、外付けフラッシュを用意。GN20の小型のもの「X20」を用意。
・ハンドグリップも用意。手の大きい人にファインダー切り替えレバーが操作しやすく、60mmレンズ装着時もスタイリッシュに。望遠レンズでも似合うカメラにしたいので、別売で用意。
・プロテクトフィルターを用意。スーパーEBCフジノンのオリジナルコーティングを採用。もともとUVは必要ないので、プロテクトフィルターに。X100用の49mm径など、各機種とレンズ用を用意。
・「X100」はケース添付率が50%と高い。同じデザイナーがトータルバランスを考えてデザインした。
・レンズフードは、金属製のものを同梱。レンズフードポーチもレザーケースに付属。


<質疑応答>
Q. マウント仕様の公開は?
A.今のところ、その予定はない。

Q.ボディー側のロードマップは?
A.もちろん、一台では終わらない。継続して進化させてゆく。

Q.センサーサイズはAPS-Cのみなのか?
A.今回のXFマウントはAPS決め打ちになる。

Q.このカメラはどんな人に向けて企画したものか?
A.このカメラがプロの要求に耐えるカメラ。レンズ交換を楽しみたい人、高画質が欲しい方が対象。.「X100」は40%が女性。20-30代女性が購入層の2位に。

Q.販売目標台数は?
A.「X-Pro1」は初年度15〜20万台が目標。「X100」は10万台に到達した。いずれも全世界で地域別は公表していない。

Q.ブライトフレームは何種類あるのか?
A.フライトフレームは、焦点距離メニューでユーザーが自由に変えられる。最大6種類まで設定できる。

Q. 今回の新センサー「X Trans CMOS」の今後の展開は?
A. X-Trans CMOSは、今後、Xシリーズに展開してゆく。「EXR」は1/2インチくらいまでに適している。大きいサイズのCMOSには、「X-TransCMOS」をかなり積極的に展開してゆく。



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