※写真はイメージです。


【第2部】


参加者
(以下、敬称略)

DI事業部 事業部長 小島佑介氏



聞き手
山田久美夫



●レンズマウントは自由度を持たせたものに

山田 今回の4/3インチに規定したことで、要はレンズマウントを共通化したいという話なんですが、その辺に関してはなにか、お話願えませんか? 具体的なものは言い難いとは思いますが。
たとえば、常識的に考えれば、完全電子マウントにして、機械的な連動部分は無くすというくらいのことは、分かるんですが。それより先に、何か新しい提案というか...。

小島 いや、それはね、我々にとって見れば、なるべく緩い規格にしたいと。基本的には、じゃあどちら側にエネルギー(レンズのAF駆動源)を持たせるんだと、これくらいは決めなければいけないと思いますが。

山田 だから、傍から想像する範囲では、かなり色んなことが出来そうだという風に思っているんですが。
恐らく、マウントの信号伝達などの規格をあんまりきつくやっちゃうと、将来性というか、それぞれ色んな採用するであろうメーカーが、好きなことが出来なくなるんですよね。

小島 そうですね。それとね、やっぱりレンズっていうのはね、色んな技術があります、餅は餅屋の技術があるんですね。だから、マクロが得意な会社、ポートレート系が得意な会社ね、やっぱそういう味を出せばいいと思うんですよね、基本的には。だから、そういうことがみんな意欲的に、何から何まで全部自分のとこだよっていうことじゃなくて、一緒にやって下されば、結局喜ぶのはユーザーでしょうと思いますからね。

●マウント共通化で好きなレンズが使える時代に

山田 そうですね。だからそういう意味では、レンズで楽しめる時代っていうのが、もう一回来るのかなと、こういう基本的な規格がある程度決まってて、ちゃんとした互換性が保たれているのであれば、ボディはオリンパスと、でレンズはどこどこというのが、いくらでも出来るようになっちゃうわけですよね。

小島 そうですね。ただやっぱり、ある程度デジタルの技術にほとんど見極めが出来てね、本当にレンズの味がデジタルに行きますかっていうところは、他で加工出来ちゃうところは結構ありますから。ただやっぱり、元のデータ程良いものは無いっていうか、だからそこのところは、レンズの味っていうのは、逆に凄く問われる。ほとんどのとこは、あんまり差が無ければほとんど分からないですよね。

山田 だから、今まではブランド信仰って言うか、「どこどこブランドのレンズは、良いものだ」というのがあったわけですよね。そういうのが、割とバレて来るのかなと。

小島 そうですね。いや逆には、スピーカーはどこどこ、アンプはどこどこだって良いんじゃないか、そういうね。

●単焦点レンズも検討中。超大口径や高倍率ズーム、マクロも

山田 その時にオリンパスとしては、どんなレンズを考えてるのでしょう? 具体的になっちゃいますが。

小島 いや、一通り考えてます、そうは言ってもね。まあやっぱりデジタルが今欠点になりつつあるワイド系だとか。逆にマクロっていうのは、デジタルは一番強いところですから、そこをもっと強化するとかね。まあそういったところは、基本的にはやって行きたいと思います。望遠は逆に得意なとこですから、デジタルっていうのは。で、デジタルで不得手なところとかね、もっと良くなるところっていうのを、やって行きたいなとは思っているんですけどね。やっぱりあまりにもズーム時代になってますから、ちょっとやっぱり「ズームじゃなくても良いんじゃないの?」っていうのもやっぱりね、あって良いかなと。

山田 CCD自体が小さいんで、あんまり大きなボケというか、それが作り難そうな気がするんで、個人的には超大口径レンズってやつは欲しいですよね。

小島 そうなんですよね。

山田 超大口径にしても、そんなに大きくならないわけですよね。

小島 そんな大きくはならないですね。ただ、例のうちのE-10がF2で、4倍ズームであの大きさですからね。あれが、あれ35mmで作ったら、化け物ですよね。出来ないですよね、あんなの。そういう意味では、4/3インチでCCD面積が4倍になるけど、もう少しF2.8くらいで実現するとか、F2くらいでもう少し倍率を抑える、と色んな手はあるでしょうね。

山田 その時には、例えば10倍ズームの、比較的明るいやつっていうのは、持てる大きさにはなるんですよね。

小島 ああ、ありますね、それはね。意外とその10倍だとかというのが、銀塩に比べると全然やり易いですよね。デジタルの得意なところをどんどんやっぱり、活かして行こうということですよね、基本的にはね。
 まあだから、銀塩の世界は、銀塩の世界で残しましょう。デジタルはデジタルで得意なことを。まあ、なかなか私が言っても、ユーザーが乗ってくれないんだけど、秒何コマの世界とかね(笑い)。
 いくら言ったって、なかなか10倍って言ったってね、今度みたいに「E-10」みたいな作り方、「C-700UZ」みたいな作り方すると、まあ売れてはくれますけど。それでも、「C-2100」みたいな作り方するとね、まだみんな早過ぎたっていう感じですよね。でも、そういうデジタルならではの新しいメッセージっていうのは、やっぱり伝えないと、そうじゃないとやっぱり市場は広がらない。ただ銀塩を置き換えても、意味が無いですから。

●ファインダーは光学式でも電子ビューでもOK

山田 あと、今回の話で行くと、レンズマウントは規定してるんだけど、ファインダーは別に光学式じゃなくても、電子ビューファインダーでもそれは全く問題はないわけですよね。

小島 問題無いですよね、それはね。ただ、これはね難しいんですよね、やっぱりこのフランジバックの問題が出て来るので、レンズ設計が変っちゃうんですよね。だから、そこのとこを決めないと、だからEVFを使う場合でも、ちょっと損するかなと、逆にはね。ということは理解してもらわなくちゃいけないだろうと、光学式のためにこのくらいのマウントにしなくちゃいけないと、それに対してEVFだとその分要らないわけだから、ミラーがね。ここのところが、一応ミラーを考えた(光学式一眼レフファインダー)システムを今提案したいと思ってます。

山田 まあ、メーカーによっては、光学式のファインダーは、作り難いとか、苦手だとかいうところも当然出て来るでしょうし、電子ビューファインダーも今はまだ早いけど、何年か経ってそれなりになれば・・・。

小島 そうですね、アレは本当は良くなりますよね。まあ大分、ミノルタさんなんかも結構良くなってるし。ただあれも欠点があるんで(笑い)、そのうちどうなるか知らんですけど。我々も、散々試したEVFですから。まあ我々の感覚から言うと、あれ冒険だと思ってますからね、いきなり使うのはね。もう少しこなれてからの方が、良いんじゃないかと思うんだけど。

●レンズは「ズイコー」ブランド?

山田 そうですね、確かにインパクトはありますけどね。あと、話は前後しますが、もしかしてオリンパスでレンズシステムを組む時というのは、ズイコーブランドが復活するなんていうことは、あるんでしょうか?

小島 なんかそういう話、それ山田さんが作ってる話? そのズイコーっていう話、どこかで出しました?

山田 えーと、どこかで・・・。

小島 うちの社内で、そんなことどんどん言われ出してね(笑い)、それは火付け人が山田さんなんだろうと思ってるんだけど。

山田 はい、すいません、私だと思います。いや、「ズイコーブランドだったら良いな」という話ですよ。

小島 それは困るんだよなー(笑い)。そこはね、そこは別に決めてませんけど、ちょっとズイコーブランド復活させるっていうつもりは、あんまり無いんですけどね。ただまあ、何とも言えないですけど。

山田 僕自身が、一眼レフはOMから始まってるんで。

小島 ああ、そうですか、それはそれは。

山田 なもんで、やっぱりズイコーっていうのは、僕自身馴染みがあるんですよ。

小島 いやね、実は「ズイコー」っていう名前やめたのはね、私なんですよ、本当言うと(笑い)。

山田 あ!そうなんですか?

小島 これはね、営業の意見がもの凄く強くて、当時ね、海賊レンズが凄く多くて、やっぱり日本ではズイコーレンズ分かってくれたけど、世界で言うとね、これ交換レンズメーカーの商品かという風に随分色々言われちゃって、まあそれだけブランドの浸透はね、当時弱かったって言うのか、その辺がちょっと問題で、やっぱり「海外でオリンパスレンズと言ってくれ」という声が高まってですね、それでハーフの頃はズイコーレンズで良いけれども、このOMも最初はズイコーでしたけど、一応やっぱりオリンパスにしようということで、私が変えさせたんですよ(笑い)。
 まあ、そんなことがちょっとあってね、まあ別にズイコーを復活しても良いんですけどね、そんなこと全然こだわって無いんですけどね。ただ新しいか、まあ良くみんな愛してくださるんなら、ブランドもアレなんですけど、知らない人達に売るのに、逆にややこしいことになるというとこがちょっとあるんですね。
 だから、我々は確かに懐かしい名前だし、違和感全然無いんですけど、市場から反発があったと。それだけ交換レンズメーカーが、当時脅威になってたっていうことはありますけどね。
 レンズのためにカメラ売ってるようなとこがありましたから、みんながね。それが一眼レフのビジネスだっていうのがね、ありましたから。そのレンズがみんなやられちゃうっていうのは、まあシグマも、タムロンも、トキナも何もみんなね、脅威だったんですよ、取り敢えず。

●デジタル世代のための新システム

山田 僕自身が一番期待してるのは、値段なんですが。この間のお話では、標準的なレンズを付けて、まあ標準的なレンズは何かっていうのもあるんですけど、それで20万円以下というお話ですが・・・。

小島 そうですね。デバイスが安くなり、市場が発展すれば、もっと安くできる可能性もありますね。

山田 それこそ4/3インチでも、量産すればそれなりの値段にはなるんですよね、CCDは。

小島 それはねもう本当に、CCDメーカーの習熟度と、競争状態ですね。

小島 ただ、やっぱりこの一眼ていう構造そのものはね、やっぱり写真をずっと撮られて来た方にみんな馴染んだシステムですから、「じゃあ4/3インチどうなの?」って言ったら、大方の方は逆に反対派に違いないんですよ、基本的には。大方は、やはり35mm容認派ですから、基本はね。だからそういうとこの会話っていうのは想像出来ますけど、まあ基本的にそれよりは「やっぱ大判の方が良いよね」というのが、基本だとは思うんですけどね。そういうところっていうのは、大体ね。

山田 そういうところで、僕自身割と意外だったのが、E-10を使っている人が結構いるんですよ、仕事で。

小島 ああ、そうですか。

山田 E-10を使ってて、それこそあれでカタログ撮り3000枚やった人もいるわけですよね。そうしたら、「あれであの絵が出てるんだから、4/3インチだったらあれよりは全然いい絵が出るハズだ」と。でしかも、そういうのって割と小物が多いんで、CCD大きいものよりも全然楽なわけですよ、小さいCCDの方が。だからそういうのが出たら、絶対仕事で使いたいっていう人も、いるんですね。道具の良いところだけを引っ張ってくる力をちゃんと持っているんで。

小島 そうですか...そうですね、デジタル世代ということだったら、理解して頂けるかも知れないですね。まあ旧世代はちょっとね、はい。

山田 「大きいことは、良いことだ」っていう世代は、それはそれでもちろんいらっしゃるので。ただ、最適化されたシステムっていうのを、やっぱりE-10で体験を一回しているんで。最適化されたシステムであれば、もっと今より使い易いものになるんじゃないかっていう話はありますよね。

小島 ああ、そうですか、それは有難いですね。まあまあ、どれだけが賛成してくれて、どれだけがあれでも、うちはやるつもりですから(笑い)。

●発表は来春のPMA、発売はフォトキナ頃?

山田 そうですよね。ただやっぱり、一番気になるのは、どこがやるかという、どこがやるかっていうとあれですけど、何社くらい入ってくるのかなと。例えば来年の、来年のフォトキナ辺りの頃発売で良いんですよね。

小島 まあ、発売出来るか、どのくらいのレベルになるかね。やっぱり翌年春にするのか分かりませんけど、まあどういう形であれ、発表は出来ると思いますよね。

山田 PMA発表というのは、発表だけはしそうですか?

小島 いやぁ、まとまればしたいですけどね。ただ、我々自身なら、ワーキングサンプルも出せますけど、やっぱりこれからの仕様によっては、後で変えなくちゃならないものもになるかも知れないし。そこのところはね、別に我々は変えることは何でも無いと思っていますから。まあ変えないでみなさん「良いよ」とおっしゃれば、それで良いんだけど。

山田 だからそういう意味では、そろそろPMAで何らかの形で発表されるのであれば、マウントなんかはもうそろそろ決まってなきゃいけないのかなという話になりますもんね。

小島 いや、そうなんですよ。だから具体的には、どこかと一緒に活動は開始したいなとは思っています。今、各メーカーとまだ個別に話しています。

山田 個別に話している段階なんですね。

小島 だからこの前のコダックの話は、正式発表ではありませんと。いずれにしても、正式な発表っていうのはどうしてもね、やっぱりフォーラム立ち上げの時が、正式な発表だという風に考えてますんで。だからまあ、あれは、山田さんに書かれたことは誤算だと(笑い)。

山田 誤算ですか?(笑い)

小島 あれ意識して喋った訳じゃなくてね、ただ時期的には、そろそろやらなくちゃいけないというところは前からあって、かなりのメーカーさんにも話はしましたから、だから「まあいいかな」くらいでいたら、もう山田さんの反響が激しくて(笑い)、うちも現地法人言ってないもんだから。

山田 あ!言ってなかったんですか?

小島 まだその話をするとかね、そういうことしてないもんだから、後から対応に追われて困りました。

山田 寝耳に水で、向こうとしては。

小島 まあ一部ね、そういう動きをするっていうこと自体は、まあ色々各現地法人と話し合っててますから。ただ、「いつ発表する」とかね、「そうするとE-10どうするんだ」とかね、という話になりますからね。「今これだけE-10が売れてるのに、止まったらどうするんだ」とかって、大騒ぎになりますから。まあキャノンさんみたいに、直前発表型でもね。まあソニーさんだとか、ああいうところは逆に早く発表しちゃうタイプですよね。家電型は、早く発表しちゃう。カメラメーカーは、直前ですからね、大体。

山田 本当に、正にそうですよね。まあ、かなり多くの人が、今からみんな楽しみにしているので。

小島 まあ、挫折することなく、頑張りたいと思いますけどね(笑い)。

●安くなるかもしれないAPSサイズCCD

山田 でも、この感じで行くと、それこそ来年、再来年で普通の人が、今の35mmの一眼レフのちょっと上くらいのを買っている人が、デジタルに移行するっていうのが、事実上出来ないじゃないですか、このシステムが出て来ない限り。そうすると、凄くいい時期というか、本当は半年くらい遅かったと思うんですけど、来年春辺りに出て来るとちょうど良かったと思うんですが。

小島 ただね、来年APSサイズのCCDがちょっとね、安くなるかも知れないですね。APSサイズCCDに、みなさんどれくらい来るって言ってるのかね。まあ35mmでうちはやりますって言ってるところ、APSを飛び越してやって、名を成したいっていうところもありますしね、逆説的にね。でもまあ大体35mmのCCDなんていうものは、そんなものはやって良いものだとは思ってませんけどね、私はね。

山田 だから、APSサイズのCCDを選んでいるメーカーがやっぱり一番、賢かったのかなと。

小島 リスクが少ないですよね、それでまあ数、まあとにかく自分のとこのレンズで、そのために専用レンズはあんまり起こさなくてね、やれるんならいいんでしょうけど。結果ニコンさんだってね、新しいレンズを起こさざるを得なくて。まあ新しいレンズ起こして、それがまた売れれば、それに越したことは無いんですけどね。ただそれはほとんどね、ニコンさんの特殊な世界ですよね。一般コンシューマーは、「どうしてまた新しいレンズ買うの?」っていうとこがありますよね。たぶんね、上位互換にはならないと思いますよね、デジタル用のレンズを、「じゃあ今度35mmで使えるの?」っていうと、やっぱりちょっと違っちゃうと思うんですよね。

山田 それでちょっと、一つお聞きしたいんですが、その4/3インチ用のレンズを、仮に4/3インチのフィルムに付けたら、どうなるんでしょう? 4/3インチのフィルムっていうのが、仮に出てきたとすると。

小島 それは別に、全然問題無いですよ。

山田 そうですよね。そうしたら、それこそフィルムの方の性能が上がってきたら、4/3インチのフィルム式一眼レフ(笑い)っていうのがあっても良いのかなと。

小島 (笑い)また、つまらないことを...。これは、本当に小さく出来ますよね。

山田 本当に小さく出来るんですよ。

小島 これはね、逆にね。また分からんことを...。いや私ね、そういう考え方止めた商品があるんですよ。それはね、例のポラロイドさんの小さいのがあるじゃないですか、私ね、うちの技術展で、来て頂きました、要するにデジタルで撮ってプリントアウトするやつを、開発してたんですね、うち。ところがねあれは、ポラのこれを見て止めたんですよ。これをだって、$10とか$20とかで売るって言うから、それじゃあダメだと。まあそれと同じでね、フィルムこれの方が結果的にうんと安いよって言われると、また困るんだよね(笑い)。

山田 まあそうなんですが、でもなんかペンタックスのオート110みたいな...。

小島 やっぱりね、4/3インチにした理由って言うのは、CCD使う場合はレンズが大きくなるという事が前提にありますから、だからレンズはあんまり小さくならない。まあどこか、いい加減なもの作って来るとこはあると思いますけどね。

山田 うん、そんな気はしないことも無いんですが。でもまあ、乗ってくるメーカーによっては、光学手ブレ補正の技術を持っているところも、乗ってくるかも知れないし、まあドイツの方のブランド持ってるところも乗って来るかも知れないし...そうしたら面白そうなんですけどね。

小島 そうですね。まあ色んな形で、そういう可能性は結構ありますよ。

2001年7月11日公開
第三部に続く


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