※写真はイメージです。


【第1部】


参加者
(以下、敬称略)

DI事業部 事業部長 小島佑介氏



聞き手
山田久美夫



山田 今回は、インタビューにご協力いただき、ありがとうございます。

早速ですが、先だっての4月27日に開催された「Kodak e-Revolution 2001」での講演で、公表された、4/3インチCCDをベースにしたデジタル一眼レフ構想のお話を伺いたいのですが。

小島 今回はですね、特にこの前お話した以上にはね、基本的にはあんまり無いんですけどね。

山田 それは分かってて、お願いしているんです。(笑)

小島 ああ、そうですか。(笑)

山田 ですので、その辺何か一つくらい新しいお話があればというのが正直なところなんですが。

小島 まだまだ、いえる部分といえない部分があるんですがね・・・。

山田 ですので、いえる範囲で・・・。

小島 まず、フォーラムを形成して展開したいんです。フォーラムについては、何らかの形で作って行きたいと。 あと、この前の記事では、コダックさんのCCDと(笑い).推測されてますけど。

山田 はい、あれは推測ですので。

小島 それはあくまで推測だと。

山田 要は、「あの場で言ったのだから、そうだろう」ということしか、こちらには分かりませんので。

●2年くらい前からあった「4/3インチ構想」

山田 そもそも、4/3インチのものというのは、構想としてはいつ頃からの話なんでしょう?

小島 4/3インチはね、今からね2年くらい前ですかね。 我々がね、技術開発本部でね「これから先のフォーマットで、何が一番いいか」って検証を色々していたんです。だから、先日のセミナーで提示したデータはどちらかと言うと、古いんですよ。要するに、35mmレンズは使うとこんな風になりますと。あるいは、色々なポテンシャルから考えて、4/3インチが一番良さそうだという提案は、我々技術開発の方から貰ったんですよ。
 我々は別に、「2/3で良いじゃないか」とかね、「でもまあ1インチくらいまではやらなくちゃいけないかな」とかね色々思ってたんですけど。まあ色々考えた結果、レンズの大きさだとかというものをみんな考えて行くと、4/3インチ辺りが一番良いんじゃないかという提案を、我々技術の専門にそんなことばっかりやっている連中が、提案して来たんですね。それで、「ああ、そうかい、そうかい」って、当時は聞いてたんですけど。

山田 ちょうどその頃って、「C-2500L」の頃になりますよね、機種で言うと。

小島 そうですね、2500くらいですね。

山田 そもそも、その「C-1400L」や「C-2500L」を作るときに、やっぱりレンズ交換式のものというのは、一度は検討されてるんですか?

小島 そうですね、「C-2500L」はセパレート出来るようになってるって申し上げましたよね、かつてね。だから2500・・・、そうそうあの辺りから一応2/3でもやっぱり外すことは有り得るかなということも一応は考えていました。今回も「E-10」でも場合によっては、まあ少し大きくなりますけど、外すことは出来ると。
 結局、フィックス型にしないとそれだけ長くなっちゃうんですよね。だから、それだけその、フランジバックとらなくちゃいけないんで、その分だけやっぱりシステムは必ず大きくなると。だから本来は、デジタルというのはフィックス型は一番適してると。
 これはね、どう考えてもそうなんですね。例のフォーカルプレーンのゴミの問題なんかにしても、やっぱりフィックスしちゃうと、まあそういうことは起きないということで、やっぱり本当は、フィックス型が良いし、この前申し上げたように、400万、500万であのクラスであれば、大体普通の人は要らないということになるんで。
 まあミノルタさんみたいに7倍とか言っても、我々も色んなレンズは元々考えて用意してますから。そうすると、とにかく一系列か、二系列フィックス型があれば、もうほとんどコンシューマーは十分かなという感じは、一方でしてるんですけど。
 この前のセミナーでも話したように、やっぱり交換式っていうのは、やっぱり夢ですから。それから、長く親しんだ写真のレンズスタイルなんで、それをデジタルの時代でも、まあ全く同じじゃなくて、新しい考え方で攻められれば良いかなという風には思ってるんですけどね。

●レンズ性能とのバランスがとれた「4/3インチシステム」

山田 4/3インチって実際に書いてみたんですけど、結構デカイんですよね。APSサイズCCDのレンズ交換式のものは、APSサイズ専用のボディーを使ってないから、あの大きさになっちゃうわけですけど。あれをAPSサイズのCCD専用にボディーをちゃんと起こしてやったら、そんなに大ききならないかなという気がしてて。

小島 あの、ボディー側はね。

山田 ボディー側は。

小島 ただやっぱり、レンズは大きくなっちゃいますよ。

山田 レンズは大きくなりますね。

小島 レンズはね、やっぱりAPSの分、光線をCCDに真直ぐ入れようとすると、やっぱり左右なんかは随分大きくなっちゃって、ワイドなんかもっと大きくなっちゃいますから。多分私は、APSで一番限界なのはワイドだと思ってるんです。ワイドは作れない。多分まともなワイドは、と思ってます。
 だからそういう意味では、4/3インチですらまともに作ると、本当に普通の35mmよりもしかしたら大きくなるかも知れないというくらいのところはありますから。結局、あれだけ大きく取り込んでも、こんな小さいとこでも、やっぱりあの位しか使えないんですよね。確かに周りを切っちゃえば良いんだけど、そうすると光が確保出来ないとかね。
 まあ色んなことがあって、結局その明るさと、真直ぐ届かせるということを考えると、CCDはピクセルがうんと大きいままだったら、ちょっと斜めでも大丈夫。ところが、細かくすれば必ず混色を起こしたり、ぼやけたりっていうことがどうしても起きます。だから今のままで10μ以上の形で、APSでずっとシステムを作る。つまり、それだったらせいぜい本当は、300万画素以下なんだけど、それでやるんだったら今のレンズで十分だということが言えますよね。

山田 確かにそうなりますね。

小島 ところが、元々私が言ってるんですけど、「やっぱり銀塩とは住み分けをした方が良いよ」と、「何でもかんでも銀塩の領域をずべてデジタルに置き変える必要は無い」と。それは、銀塩は銀塩なりの世界があるし、ただ明らかに使い勝手だとか、パーソナルユースだとか、プライバシーだとか、環境問題だとかと言うと、やっぱりデジタルの方がずっと有利になると、これはまあはっきりしているわけですよね。
 自分でプリント出来る、自分の環境でみんな出来る、これから人権問題がどんどんきつくなって行くと、やっぱりアメリカなんかだとね、色々プリントしてくれない、銀塩では、っていう問題が起きてますからね。
 だからそんなことを考えると、デジタルがやはり中心になって行く、体制になって行くというのは、間違い無いんですけど、銀塩の画素数を全部デジタルに置き変えるっていうのは、ナンセンスだと思っているんですよ。それはね、スキャナーの領域で良いと。そんな写真なんてほとんど無いんだから。
 それを、35mmのCCDをこしらえて、これで超微細化して作って行くっていうのは、これはほとんど無い世界だと思ってますよね。まあ、無駄な世界でしょうね。まあ「技術的には出来るけど、やっても意味が無い」という考え方ですね。
 一方、コンシューマー向け、さらには、実際にはほとんどプロまで使えるシステムだと思ってますけど、そのくらいのところまでは4/3インチで十分じゃないかなと。逆に4/3インチの方が、解像度を上げられる可能性があるしと。これは、レンズとのマッチングでね。

●画質は現行のAPSサイズCCD機に迫る実力に

山田 感覚的な話しなんですが、画質面では、要は現行のAPSサイズのCCD使った一眼レフに迫るレベルまで、十分行けそうな感じなんでしょうか?

小島 ええ、それは間違い無いですね、それは行けます。
 それとね、やっぱり技術が良くなってますよね。私は、微細化に対してはいつも疑問を呈してね、「やり過ぎちゃいけない、やり過ぎちゃいけない」って言っているんだけど、結構やっぱりね、半導体メーカーは頑張ってる。ソニーさんなんかは、随分頑張ってる。
 技術的には考えられないくらい、意外とみんな頑張って来てると。ということで、そういう技術が大きくなっても活かせるっていうことを考えれば、まあ4/3インチでダイナミックレンジがちゃんととれるかと言ったら、とることも出来るだろうし。それは大きい方が、CCDそのものは有利に決まってますよね。ただ、本当にレンズとのマッチングから言って、どっちが上か分かりませんよというのが、今回の投げかけでね。

山田 そうですよね。だから正直なところ、E-10の今の絵を見て、E-10クラスで十分だっていう人が、ほとんどだと思っているんですよ。

小島 いや、私そうだと思いますよ。普通の人は、あれ以上望んでいないですよ、本当に。

山田 要はそれがあったんで、E-10が2/3インチの4倍だと。で、「4倍あるけどそこまで本当に普通の人に必要なのかな」っていう疑問が、逆にあるんですね。

小島 そうですね。いや、ただ、要するに35mmのシステムの大きさまで許容するって言うんなら、可能性としてはここまであると、逆に。皆が使い慣れたね。デジタルっていうのは、もっと小さくなれると。まあ多分E-10だって、もっと小さく出来るんですよね、CCDが良くなればね。レンズもっと暗くして良いということになりますから。
 まあ、ミノルタさんのなんかは、レンズ暗くして7倍にするとかね。倍率は簡単なんですよね、どっちかと言うと。まあ我々今のやつをちょっと、ほとんど変らない大きさで10倍までは出来ますから。だからその辺は、倍率はあんまり関係無いんですけど、レンズの明るさは効いて来ますよね。


●シャッターユニットは?

山田 そうですよね。で、少し具体的なところに入って行くんですが、要は前のお話で、レンズ交換をするということで、フォーカルプレーンシャッターなんかを使うと、ゴミの問題が発生すると。なんだけど、今度のはそれが解決出来そうだという風なニュアンスで受け取ったんですけれども。

小島 いや、やっぱりコンシューマーですから、自分で一生懸命ブロアーでやらすことすら、大変ですしね。それについては、どうやって解決するかっていうのは、完全に解が出てる訳ではない。
 ただやっぱり、ゴミは問題であると。ゴミの問題はなるべく、そこが解決しない限りは、コンシューマー用の一眼レフって言っても、なかなか難しいものはあるよねというところは、事実としてあります。

山田 ということは、どういう形になるかは言えないけれども、その部分はあんまり心配しなくて良いような、システムが出来あがるよと。

小島 まあ、なるべくそういう、それを解決することを前提に考えたいということで、ここがどうしても困難なら、不自由なシステムになりますねということですよね。

山田 でも、たとえばですけど、マウント面がありますよね、マウント面から後ろ側を、たとえばそれこそミラーを使わないで、全部プリズムで、光学ファインダーの場合ですけど、プリズムで全部こう行っちゃうと。そうすると、ある程度密閉出来る訳ですよね。

小島 そうなんです、密閉出来るんですけど、フォーカルプレーンを使うかどうかなんですよ。フォーカルプレーンそのもののゴミですから、むしろ問題なのは。で、フォーカルプレーンのゴミは、どこに置いても付くんですよ。
 だから、やっぱりフォーカルプレーンを使わないレンズシャッターっていうことだったら、でもレンズシャッターだと今度は、全部のシステムにみんな負担が掛かりますよね。しかも4/3インチになると、スピード出せないですよ。だからそこのところがね、耐久性と、システムの難しさから、ただ全部をプログレッシブで規定すればね、シャッターは簡単ですから、そういうやり方は、もうひとつ可能だということはありますね。

山田 で、たとえばなんですが、それこそオリンパスの場合は、ロータリーシャッターみたいな技術がある訳ですよね、あれはどうなんですか?

小島 まあロータリーシャッターだって、あれもメタルですから、結構やっぱり、多少は問題はありますね。ただ、今のフォーカルプレーンみたいに、擦り合う訳ではないんで、それでも回転させるんで、全く「NO」とは言えませんよね。ゴミが出ないとは言えない。それから、ロータリーっていうのはね、やっぱり大きくなるんですよ、そうは言っても。ただ4/3インチですから、ハーフサイズのまた半分なんで、まあ考えられない話では無いと。(笑い) でも、採用するとは決していってませんから、その点は誤解しないでくださいね。

第二部へ続く


(2001年06月28日公開)




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