「僕の名は水芭蕉。水のある沼地に生え、春先に真っ白な花を咲かせる水辺の妖精って別名もある植物なんだ。僕は君に水のありかを知らせてあげる。その代わり、君は僕を引き立てるために、周りにある草を食べ尽くしておくれ。そうして貰えると、僕が尚更目立つからね。でも僕を食べようなんて思わない方が良いよ。僕は不味いからね。と言ってる端から、僕の大切な白い花を齧ったんだね。どう?やはり不味かったろ?不味かったとみえて、食べ残してしまったね。これで君も大人の馬の仲間入りだね。大人になると僕は食べれないものだって分かってくるから、僕に危害を加えようとしなくなるんだ。僕はこれで一安心さ。岬にある白亜の尻屋灯台のように、僕は白い輝きをこの草原に放ち続けることができるからね」