デジタルカメラ・ジェーピー

2013年11月05日

ニコン

「D4」の撮像系とダイアル操作メインの銀塩一眼レフ的デザインを採用した
FXフォーマットで世界最小最軽量の16.2メガCMOS搭載デジタル一眼レフ「Df」発表


●ニコン
「D4」の撮像系とダイアル操作メインの銀塩一眼レフ的デザインを採用した
FXフォーマットで世界最小最軽量の16.2メガCMOS搭載デジタル一眼レフ「Df」発表

-「ニコンでしかできないもの」を追求した、新プロダクト「Df」を発表。
-ニコンフェローの後藤研究所室長 後藤哲朗氏が企画を担当。
-「手にする喜び、操る楽しみ」を重視。銀塩時代のダイアル操作中心の操作性を採用。
-ボディーの質感や操作性を重視する人。クリエイティブでカメラの表現力を実現したい人。高画質と携帯性を重視したい人。作品、撮影主義層に。
-新しいカメラとして、純粋に写真を楽しむことを追求した「オンリーワンD-SLR」。
-撮像系は、ハイエンド機「D4」と同等。FXフォーマット16.2メガCMOSと「D4」と同じ画像処理エンジンを搭載。広いダイナミックレンジと超高感度により、懐の深い絵作りに。
-ファインダーやシャッターなどメカ部分はほぼ「D610」のものを採用。
-外観に金属カバーを採用。上カバー、底カバー背面カバーがマグネシウムダイキャスト。
-防塵防滴を実現。性能は「D800」と同等クラス。
-シャッターは1/4000〜30秒の縦走り。Xは1/250秒。組み込み状態で15万回の耐久。
-連写性能は毎秒5.5コマに。レリーズタイムラグは0,052秒。起動は0.14秒。
-ファインダー視野率100%。連写は秒間5.5コマを実現。
-「Df名入れサービス」を実施。11月20日から受け付け開始。1月31日まで実施。サブコマンドダイアルへの名入れを、4200円で。
-大きさは、143.5×110×86.5mm。重さ約765g。
-オープンプライス。実売価格はボディー 28万円前後。レンズキット 30万円前後。50mmF1.8SPは29,400円。
-11月28日発売。



-往年の銀塩一眼レフのような雰囲気を備えた「Df」。
-FX機で最小というが、ボディーサイズは若干大きめな印象もある。
-だが、実際に手にすると、金属外装で重厚感があるためか、意外なほど軽く感じる。軽量なことはいいことだが、もう少し重めで、重心が低いほうが安定感があり、ブレも軽減できるような気がした。
-ダイアル中心の操作性は、デジタル一眼レフにないものだけに、なかなか新鮮。
-シャッタースピード、露出モード、露出補正、ISO感度に、それぞれ専用ダイアルがある。
-ボディー前面のダイアルでは、絞りリングのない最近のAFレンズ使用時に、絞りをセットするためのもの。
-発表会会場では、多数の「Df」が用意されており、自由に触れることができた。
-ただ、ダイアルの操作感は各個体で若干の差があり、まだチューニング途中という感じもあった。
-ダイアルのレイアウトは、往年の銀塩時代のものを踏襲しており、往年のユーザーには馴染みあるもの。だが、デジタル一眼レフでも同じレイアウトでよかったのか?は少々疑問。
-とくに、現行のAFレンズは絞り環がないため、撮影前に絞り値を確認するのは、上部の小さな液晶画面で見るしかない。また、前部のダイアルの操作感も向上させたいところ。
-もっとも、そのような”操作の作法”も”本機の持ち味”。まあ、慣れでカバーできる範囲ともいえる。


-Dfは、Ai連動爪を起こすことができるため、往年の非Aiレンズでの撮影にも対応できる。
-ボディーデザインが往年の銀塩一眼レフテイストなので、オールドニッコールとのデザイン的なマッチングもなかなかいい。
-会場では、往年の名ニッコールレンズも用意されており、装着することもできた。
-とくにシルバーボディーとの相性はなかなかよく、懐かしい雰囲気が漂う。


-ボディーの上下カバーは、マグネシウムダイキャストを採用。
-往年の銀塩一眼レフのような真鍮の外装も考えたが、重さの点と、現在の技術での加工の難しさなどもあり、早期に断念したという。
-撮像系は「D4」と同等。フルサイズで画素数も抑えられているのため、ダイナミックレンジが広く、階調も豊富。さらに、超高感度時の画質のいいため、条件の悪いシーンでも威力を発揮するという。
-ファインダーやメカ系は、最新の「D610」がベース。シャッターの耐久性も高く、15万回をクリア。




<発表会会場語録概要> ※誤字脱字は後日修正します

●ニコンイメージングジャパン 取締役社長 五代厚司氏
・国内のデジタルカメラ市場は好調に推移。
・日本のカメラ、写真文化には、熱い文化がある。写真愛好家、写真愛好家に刺激を与える人、雑誌、販売店様などが存在している。
・ニッコールレンズは今年80周年。秋には「D610」「D5300」を発表した。
・(「Df」は)長年写真に向き合ってきた、ニコンならではの価値の提供。写真を楽しめるカメラに。

●ニコン ニコンフェロー 映像カンパニー 後藤研究所室長 後藤哲朗氏
・発表会への登壇は6年ぶり。
・今回のモデルはルーチンではない、後藤研究所で企画したもの。
・企画やコンセプトを間違いなく伝えたい。
・今回のティザーを見ても、販売や利益達成は本気ですが、肩の力を抜いて使って欲しい。
・後藤研究所は2009年に発足。
・いまやデジタルカメラは電機メーカーとのサバイバル。ニコンが生き残るために、存在価値を。
・飛び道具ではなく、ニコンの自己研鑽を図ろう。
・ニコンの強みは、光学、メカニズム、画像など、アナログ的なものばかり。
・手に触り、耳に感じる、言葉にならないものを提案。
・後藤研究所は、社内で製品や技術を提案し、助言をしている。
・現在のカメラは、大型ダイアルとコマンドダイアル全盛。ちょっと使われ感がある。
・もちろん、効率なら現行品でいい。
・(今回の「Df」は)2009年に企画を開始。あっという間に企画が決まった。普遍性を追求。
・スローライフやロハス。日頃勇ましく「D800」「や「D4」を使っている方が、気軽に写真を楽しむときに。
・デザイナーと雄志で精密なモックを作成した。
・30年以上カメラを開発しているが、(社内で)これほど真っ二つにわかれたモデルはない。
・「ほかに作るべきモデルがある」「市場がない」「作るべきでない」という声もあった。
・賛成意見もあり、工場を含め、大賛成も人も多かった。
・上層部に強力な賛同者がいて、ルーチンなものに。
・ニコンとして、その間に、いろいろな声があった。
・お客様から、「ニコンSP」や「ニコンF」をデジタル化して欲しいという声があった。
・デジタル化でかなり自由度が高まるはずだが、右にならえだった。
・(この「Df」で)大人の写真生活を楽しんで欲しいと思っている。


●ニコン映像カンパニー 開発本部 山本本部長
・(「Df」の特徴は)「メカニカルダイアルの採用」「フラッグシップ機画質」「FX最小最軽量」。
・ボディーの質感や操作感を重視する人。カメラの表現力を重視するユーザー。
・純粋に写真と向き合って欲しい。写真趣味層がターゲット。
・新コンセプトの独自の存在。写真を楽しむことを追求。

・フィーリング。直線的なフォルム、上質な仕上げ。ファインダー撮影のフィーリングを重視。
・手にする喜び、操る楽しみを刺激。
・機能面。小型ながら「D4」と同じセンサーとエンジンを搭載。表現の領域と自由度の拡大
・これらの融合による「Fusion」。Dfの"f "はこの意味。

●後藤研究室 プロダクトマネージャー 三浦氏
・メカニカルダイアルを採用。シャッターダイアル、露出補正、ISOダイアルなどを採用。
・いくつかの機能がメカダイアルだとできない。1段ごとしかできないが、1/3段設定も可能。
・メインとサブコマンドダイアルで設定。
・ケーブルレリーズソケットやシンクロターミナルを配置。
・フィルムカメラ時代のデザインテイストを継承。
・小ぶりのグリップとレザー調の外観に。
・フラッグシップ画質。「D4」と同じセンサー。ISO50-12800。拡張で50〜204800まで。
・エンジンには、EXPEED3を採用。
・高感度画質。豊かな階調性を実現。

・メカニカルダイアルによる精密感、フラッグシップ画質を、FX史上最小最軽量に。
・体積比でFXフォーマット史上最小。質量も710gと「D610」より50g軽量。CIPAガイドラインでは765g。
・ニコンクォリティーと先進機能。
・上カバーと背面カバーにマグネシウムダイキャストを採用。高い堅牢性に。
・合わせ目もシーリングやパッキングを多様し、高度な防塵防滴に。
・シャッターユニットやミラーユニットは、高耐久性・高精度・高速化。
・15万回のシャッター耐久。コマ即は秒5.5コマ。
・ファインダー部は丸形アイピースを採用。
・ガラスペンタプリズムにより、視野率100%に。
・92万ドット液晶。3.2型の「D4」と同じものに。
・上部のバックライトをこのカメラに合わせてモノトーン化。上面液晶のバックライトもニコンで初めて白色に。
・動画機能はあえて搭載していない。ライブビュー機能は静止画でも必要なので搭載。
・ライブビュー時は、家庭のテレビ用の16:9指標も。正方形にも対応。三分割表示も。
・ライブビューで、無彩色部分でプリセットホワイトバランスも可能。
・デザインはシルバーとブラック。直線基調のデザイン。昨今はエルゴノミックだが、カメラは精密機械であったものが家電側に触れている感じ合って、精密感を強調するデザインに。
・ペンタ部にもレザー風外観を採用。

・本機用に50mmF1.8GのSPを。光学系は同じ。シルバーリングを採用。Ai/Ai-S的なデザインに。Dfとマッチする。
・45年前からニコンはFマウントを継承。Ai方式前の非Aiレンズにも対応可能。
・Aiリングの突起爪が可倒式になっており、外側に倒すことで、従来レンズの装着が可能に。
・絞り値を手動で選択することで、45年前からの古いレンズも最新のデジタル映像で可能。
・ストラップを2種。キャメルとブラックを用意。
・オープンプライス。Dfボディー28万円前後。50mmF1.8G SP付き30万円前後。

<質疑応答>
Q.このカメラはとても商品化が大変だったと思うが、その苦労話を。(山田)
A.2009年に社内を通した。ただ、東日本大震災やタイの洪水などで(Dfの開発)予定が大幅に狂った。その沈静化まで時期を待たなければいけなかった。さらに、「D4」「Nikon1」の開発も同時に立ち上がったので、人・もの・金を集めるのに苦労した。開発途中での苦労が多かったカメラだ。

Q.後藤さんとして、このカメラの完成度、満足度は?(山田)
A.気になっている点や満足度は、次に何が来るのかわかってしまうので、いえない。自分の(手がけた)ものには100点をつけたことがない。(このモデルが成功して)もしチャンスをあれば、次の派生機種ができるんじゃないかと思っている。

Q.マニュアルフォーカスで使われることが多いと思うのだが?(山田)
A.マニュアルフォーカスに対する配慮はとくにない。緑色のランプの点灯。ファインダーとスクリーンはライバルよりもピントの山がつかみやすいと思っている。今後検討したい。

Q.このタイミングで発売された意義は?
A.デジタルカメラは高性能高機能への進化を続けてきた。社内でやろうという決定したのは、写真は趣味性の非常に高い分野であり、写真の歩留まり、効率よく撮るより、一日一枚、気に入った写真が撮れればいいというときに。今後、よりいい写真が撮れるカメラと、よりいい写真文化が育つカメラの、両面で進めてゆきたい。

Q.直線基調のデザインだが、具体的なモチーフは?
A.昔からのニコンのカメラ、世界中のカメラを参考にしたが、どちらかというと、ニコンの商品を優遇している。ニコンのといっても、ドイツやフランスから来ている。所詮、ニコンといっても、海外のまねだと思っているので。(後藤)
特定の機種をまねたわけではないが、セルフタイバーの窓を「F3」に合わせた。ロックの部は「F2」的。プレビューやファンクションボタンは「F2」や「FM」系のデザインに。わかる人が見るとわかる。(三浦氏)

ニコンの縦ロゴは、このカメラに合わせるようにした。社内で通すのに苦労した。全体のフォルムを見たときに、縦ロゴのゴシック調のロゴのほうが似合うと思ったので写真で通した。(後藤氏)




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