デジタルカメラ・ジェーピー

2011年02月15日


●キヤノン
業務用フォトプリンター市場に参入。300mm幅ヘッドでワンパス印刷を実現した
7色染料系インク採用業務用インクジェットフォトプリンター「DreamLabo 5000」発表

-キヤノンが新たに、業務用フォトプリンター市場に本格参入。
-同社が培ったインクジェットプリンター技術をベースに、写真ラボや印刷会社向けの業務用フォトプリンター「DreamLabo 5000」を発表。
-300mm幅の高密度ヘッド「FINE」により、ヘッドを動かすことなく、用紙のみの移動のみによるワンパス方式での超高速印刷が可能。
-印刷速度は、L判プリントで1分間に44枚、A4フォトアルバム(20ページ)を72秒で印刷可能。
-インクは写真画質を重視するため、染料系の7色インクを採用。
-大きさは約3,630×1,600×1,540mm。重さ約2,500kg。
-5,250万円。9月発売。




<発表会会場語録概要>


●キヤノン 代表取締役社長 内田恒二氏
・キヤノンが新規事業に参入。
・御手洗毅記念館で発表会を開催。
・2008年はリーマンショックで増益が止まったが、2010年はあらたな成長路線に転換する成長元年に。
・2011年からのあらたなグローバル優良企業 フェイズ4。「世界のトップ100社」「2015年に5兆円」に。
・主力事業の強化と拡大。新たなる事業領域への参入。医療や安全機器などをあらたな事業に。
・本日の発表は、この二つの戦略のどちらにも関わる事業に。
・キヤノンはイノベイティブ製品や新しいサービスを展開。
・大判プリンターや複合機は画期的な進化をしてきた。
・「DreamLabo 5000」は本当の写真画質を、より広く深く。キヤノンの総力を結集して開発。

・新開発プリントヘッドを採用した、業務用プリンター「DreamLabo 5000」。センターラボマシンに。
・高い生産性と高度な画質を実現。写真市場と商業印刷分野に。
・すべてのキヤノンユーザーに最高の画質を提供。IXYやPIXUSなどのホームや、プロ・ハイアマ市場をこれまでも展開。ビジネスフォト市場も各分野で業界トップレベルの実績に。
・「DreamLabo 5000」をラインナップに加えることで、リテールフォトや商業印刷に拡大。
・写真に関連する、ほぼすべての環境に。すべての分野でNo.1になるフォト戦略が10年を経て完成。
・写真と画質にこだわり続け、写真という言葉がつく以上、画質に関する妥協はしない。
・最先端技術を惜しみなく投入し完成。高品位なテキスト印刷や高い生産性を実現。
・「DreamLabo 5000」により、リテールフォト市場へ進出。カメラはアナログからデジタルへ。さらに、カメラは一家に一台から一人一台へ。さらに家庭でのプリンターも可能に。
・これらにタイムリーに対応。エンドユーザーからフォトアルバムを美しい品質で入手したいという声に応えた。
・フォトアルバムやフォトプリンターへの展開。新しい写真商材を展開。

・これまでの商業印刷を遙かに超える写真印刷を実現。高画質な印刷物は大きな刺激となり、業界の発展に
・キヤノンの高画質な写真と高画質な文字出力により、新しい展開に。
・「DreamLabo 5000」により、あたらなPOD市場を展開。
・キヤノンの新分野拡大でビジネスパートナーやエンドユーザーにも展開。お客様に幸せを感じていただけるものに。

●キヤノン 常務取締役インクジェット事業本部長 清水勝一氏
・製品名の「DreamLabo 5000」の「Dream」は夢。まさに夢の製品。
・ポジショニングは、写真画質印刷は銀塩方式。文字の多い物はデジタルオフセット。「DreamLabo 5000」はインクジェット方式により、両方を高画質でカバー。
・インクは色再現性に優れた7色染料インク。L判で44枚、A4で72秒/冊。ロール紙にも対応。刺激臭の軽減。
・「DreamLabo 5000」はプリントヘッド「FINE」。300mmの幅広いヘッドで高速印刷に。ワンパスでの印刷が可能。
・銀塩写真を上回る画質。オフセットに匹敵する文字品位。さらに長時間連続印刷などで高い生産性に。

・高画質は、階調再現とグレー。グレーを含めた7色インクで滑らかな階調ときれいなモノクロに。
・銀塩写真よりも広い色域。明るいイエローやブルーも再現。総合的に銀塩写真を上回る色再現性に。
・文字も、3ポイントレベルの文字もキレイに再現。銀塩写真方式より高精細で、デジタルオフセット方式と比べても遜色ない画質に。OD値もデジタルオフセットを上回る2.2を達成。
・高い生産性を実現。ダブルマガジン方式を採用。
・インクはサブタンク方式を採用し、印刷途中でもインクの交換が可能。
・サービストレーニングによる消耗品をお客様自身で可能に。
・写真補正やカラーカスタマイズサービスもオプション設定。

・シーン別の写真補正機能を搭載。撮影シーンを認識し、補正が可能。OFF設定も可能。
・色域を最大限に生かした「DLカラー」を標準で採用。銀塩カラーや印刷超カラーなども可能。紙の種類も拡張予定。
・写真と文字を同時に、高い品質で、オンデマンドに印刷できるのが「DreamLabo 5000」。
・この分野にあたらな製品を展開し、市場を活性化してゆきたい。


●キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長 川崎正己氏
・2015年の売り上げを8500億円以上。国内シェア拡大。事業の多角化へ。
・市場拡大に対応して、事業を拡大。世界中の優れた製品の輸入事業にも、売り上げ1000億円増(2015年)に。
・リテールフォト市場は国内で、1100億円、2015年には1500億円市場に。これまでは単葉写真がメインだったが、近年はフォトブックやフォトアルバムなどが増え、2015年にはリテールフォトの1/3に成長。
・写真出力への要求も多様化。両面印刷や文字情報も。より高付加価値なフォトブックへ。

・銀塩方式では対応できない、両面印刷や製品などが必要。高速印刷も求められる。一般店舗では難しい。
・プリントのイージーメンテナンスも求められており、効率の悪さや環境への負荷も。
・リテール市場は、現在、銀塩方式とデジタルオフセット。銀塩は生産性に課題。両面印刷や製本ができない。デジタルオフセットは、写真画質の再現性で銀塩に劣り、用紙も限られる。稼働率も課題。
・いずれも一長一短がある。これらを「DreamLabo 5000」により1台でカバー可能。
・ラボ業界のビジネス拡大に。消費者から見ても、ビジネスから見ても、夢のプリンターに。
・商業印刷市場にも対応。電子写真方式のオンデマンド方式がメインだが、「DreamLabo 5000」なら高品位でオンデマンドもできる。この分野は2000億円市場。高品位商業印刷を第二のターゲットに。
・リテールフォトにはコンスーマーイメージングカンパニーが担当。商業印刷はビジネスソリューションカンパニーが担当。「DreamLabo 5000」発売の9月には選任組織を立ち上げる。
・保守サービスが容易な点が特徴。操作などは専用窓口を設ける。ソフトウエアサポートも強化。発売までに検証センターを幕張に設置。リモート監視技術により、消耗品や稼働状況をモニタリングし、管理負荷を軽減。
・「DreamLabo 5000」により、商業印刷・リテールフォト向けのラインナップが完成。リテールフォト市場と高品位市場を開拓。
・同市場で事業規模を現在の200億円から2015年に6000億円。「DreamLabo 5000」関連で100億円を狙う。


<質疑応答>
Q.「DreamLabo 5000」関連で100億円の根拠は?
A.「DreamLabo 5000」をきちっと売って、ハードと消耗品で。

Q.海外展開は?
A.日本市場は全世界の1割。2015年でグローバルでは1000億円以上の売り上げを目指す。

Q.ライバル機は?
A.完全にガチンコになる製品はない。デジタルオフセットとしてはHPのインディゴがある。

Q.キヤノンとしてのフィニッシングへの展開は?
A.この機械を購入されるお客様はすでに持っていると思っている。

Q.L判1枚を印刷するコストは?
A.コストはB to Bビジネスなので、写真屋さんや印刷業者が対象なので、B to C的な価格はわからない。

Q.プロセス速度は?
A. 3インチ/秒で紙送りをしている。

Q.メンテの料金は?
A.印刷量に対する課金を予定。

Q.きわめて高価だが、この品質で、これほどの生産性が必要ない人もいるのでは?
A.価格については、この価格でシッカリ提供してゆきたい。新しいビジネスチャンスにつながるので。

Q.サービスは独自で展開しないのか?
A.キヤノンとして独自で展開する予定はない。写真業界や印刷業界と連携しながら展開してゆきたい。サービスメニューも一緒になって展開してゆきたい。

<取材メモ>
Q.エプソンは保存性の点で、顔料系プリンターでプロ市場に本格参入したが、今回、染料系インクを選んだ理由は?
A.再現性の点では染料系の方が有利。キヤノンとして”写真画質”にこだわった結果、染料系を選択した。また、写真プリントの光沢感の点でも、インクが紙に染みこむ染料系インクの方が自然。

Q.染料系での保存性については?
A.通常の保存環境では十分なレベルだと考えている。とくに、アルバム保存など、暗所での保存では問題はない。

Q.耐水性については?
A.もちろん考慮しているが、染料系なので、水に強いわけではない。そのような用途では、ラミネート加工をすることで対応していただきたい。キヤノンとして、ラミネート機器を発売する予定はない。

Q. ラインヘッドによるワンパス印刷は、超高速で魅力的だが、メンテナンス性は?
A. もちろん、通常使用ではなんら問題はない耐久性と信頼性を備えている。また、万が一、交換が必要になった場合でも、サポート講習を受けた人なら、作業自体は30分程度でできる。




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